「MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)」と「関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)」。日本の私立大学における東西の雄として並び称されるこれら9大学ですが、受験生にとって気になるのはその「差」ではないでしょうか。
「難易度はMARCHの方が高いの?」「就職は同志社が最強って本当?」
ネット上の口コミや偏差値データ、就職実績を徹底的に学習・分析した結果、皆さんが抱く「序列の疑問」に対する答えが見えてきました。今回は、難易度と就職の両面から、最新のリアルな序列を解説します。
MARCHと関関同立の難易度比較|あなたの認識は合っている?
よく言われる難易度の予想に「明治>同志社 青学 立教>中央 法政>関関立」というものがありますが、これは最新の入試状況と照らし合わせるとどうなのでしょうか。
偏差値で見る最新序列:明治・立教・青学 vs 同志社の接戦
河合塾などの主要な偏差値データを見ると、文系学部のボリュームゾーンにおいて明治・青山学院・立教の3校(いわゆるMARCH上位)は、関関同立トップの同志社大学とほぼ同格、あるいは僅かに上回る数値を示しています。
ネット上の口コミや偏差値データにある「明治>同志社」という認識は、全学部平均で見れば概ね正しいと言えます。特に明治大学は、ほぼ全ての学部で偏差値60.0〜62.5以上をキープしており、関関同立で唯一これに比肩するのが同志社大学という構図です。しかし、個別の学部で見れば逆転現象も起きています。例えば同志社の看板である法学部や英文学科などは、立教や青学の同系学部を偏差値で上回ることも珍しくなく、最上位層の厚みでは決して引けを取りません。
入試方式と倍率の差:MARCHが難化しやすい理由
MARCHの難易度が近年高止まりしている背景には、単なる偏差値以上の「数字に表れにくい壁」が存在します。まず、首都圏の18歳人口の多さに加え、文部科学省による「私立大学等経常費補助金」の不交付基準(定員厳格化)の影響が強く残っていることが挙げられます。これにより、かつてのように「多めに合格者を出す」ことが難しくなり、結果として実質倍率が跳ね上がっています。
特に青山学院や立教は、独自の入試改革(共通テスト併用や独自問題の記述式採用など)により、従来の「3教科マーク式」対策だけでは太打ちできない「対策の難しさ」が難易度を底上げしています。一方、関関同立も難関であることに変わりはありませんが、志願者数の推移や入試方式の安定感という点ではMARCHに比べるとやや穏やかです。関西圏の受験生にとっては、第一志望として対策が立てやすい傾向にあり、これが「MARCHの方が予測不能で難しい」という一般的なイメージを強化しています。
実質倍率と「滑り止め」にならない現実
さらに注目すべきは「併願成功率」です。MARCHは早慶上智の併願先として選ばれるだけでなく、日東駒専を第一志望とする層の挑戦校にもなります。そのため、偏差値の下限値(ボーダー)が高く、中央大学や法政大学であっても「滑り止め」として確実に受かることは極めて困難です。
関関同立の場合、同志社が京都大学や大阪大学といった最難関国立大の併願先として機能しているため、受験生の上位層のレベルは非常に高いのですが、立命館や関西大学などの一部入試方式では、比較的広範な層に門戸を開いている側面もあります。この層の広さが、平均偏差値においてMARCHがわずかにリードする要因となっています。
結論:難易度は「明治・青学・立教 ≒ 同志社」が今のリアル
現在の入試難易度の序列を整理すると以下のようになります。
【難易度序列(目安)】 明治 ≧ 立教・青学 ≒ 同志社 > 中央・法政 ≧ 関学・立命館 > 関大
「明治がトップ」というネット上の口コミや偏差値データは概ね正しいですが、同志社はMARCH上位3校に完全にくい込んでいるのが現状です。さらに、中央大学の法学部のように、大学全体の平均を大きく突き抜けて早慶レベルに匹敵する「孤高の学部」が存在することも忘れてはなりません。
就職実績の序列を分析|同志社と明治が双璧をなす理由
次に、キャリアに関わる「就職」の序列を見ていきましょう。ネット上の口コミや偏差値データによる「同志社 ≧ 明治 > 他」という情報は、非常に鋭い視点です。
有名企業400社への就職率:同志社・明治・立教がリード
「有名企業400社実就職率」のデータでは、例年同志社大学が関関同立・MARCHの中でトップクラスに位置することが多いです。これに明治・立教が続く形となります。同志社がこれほどまでに強い理由は、単なる大学名だけでなく、学生の「質」と「層」にあります。関西圏の最優秀層が「京大・阪大・神大」の併願先として同志社を選び、僅差で不合格となった非常に地力のある学生が厚い層を形成しているのです。
また、就職における「同志社・明治」の圧倒的なブランド力は全国区です。明治大学は「就職の明治」として知られ、学内のキャリア支援が非常に手厚いことで有名ですが、それ以上に「泥臭く、ガッツのある学生が多い」という企業側からの根強い信頼があります。同志社も同様に、関西の私大トップという自負を持つ学生が多く、東京の外資系企業や大手商社といった最難関の選考ルートにおいても、MARCH上位校と対等以上に渡り合っています。
業界別の強み:金融に強い関学・公務員に強い中央と法政
大学名というパッケージだけで測れないのが、長年築き上げられてきた業界ごとのパイプと伝統です。
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関西学院大学:伝統的に金融業界に圧倒的な強みを持ちます。特に「西の関学、東の慶應」とも称されるほど、三井住友銀行をはじめとするメガバンクや証券会社への就職実績は際立っています。この金融界における強固な学閥(OBネットワーク)は、MARCH上位校をも凌駕する大きな武器となります。
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中央大学・法政大学:実務・実学を重んじる校風から、公務員採用試験や司法試験、会計士試験といった難関国家試験に非常に強いのが特徴です。特に中央大学法学部の法曹界・官界への影響力は凄まじく、民間企業への就職でも「真面目で堅実」という評価が定着しています。
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立命館大学:国家公務員試験(総合職)などの実績で私大上位にランクインすることが多く、また「国際関係学部」などを中心に、グローバル企業やIT業界への進出も目立ちます。
OB・OGネットワークとリクルーター制の影響
就職の強さを語る上で欠かせないのが、卒業生の数と、その企業内での地位です。明治、同志社、立命館などは卒業生数が非常に多く、大手企業の役員や採用担当にOB・OGが配置されている確率が格段に高いです。このため、リクルーター制(特定の大学の学生を優先的に勧誘する制度)の対象になりやすく、選考の早い段階で声をかけられるケースが多いのも、これら上位大学の特権と言えるでしょう。
特に同志社は、関西経済界における「同志社閥」の結束が強く、関西に本社を置く大手メーカーや商社においては、早慶に匹敵する、あるいはそれ以上の優遇を受ける場面も少なくありません。
結論:就職力は「同志社 ≒ 明治 > 他」の認識で概ね正解
最新の就職市場における実質的な評価順位は以下の通りに整理できます。
【就職力序列(目安)】 同志社 ≧ 明治 > 立教・青学・関学・中央 > 立命館・法政・関大
同志社と明治は、学歴フィルターにおいて「最上位(早慶上智)」のすぐ次のグループとして扱われ、一部の超難関企業を除けば、入り口で弾かれることはまずありません。また、このグループであれば、「どこの大学か」よりも「その大学で何をしたか」という個人の実績次第で、五大商社や外資系コンサルといったトップ企業への道も十分に開かれています。
地域格差の壁|「関東はMARCH、関西は関関同立」の真実
数値上の序列はあっても、実際に就職活動を始めると「住んでいる場所」が物理的・心理的に大きな影響を及ぼします。これは単なる通学の利便性の問題ではなく、企業側の採用戦略や卒業生の層の厚みに直結する死活問題です。
関東での知名度と評価:圧倒的なMARCH優勢の現実
関東での就職、特に東京に本社を置く大手企業やスタートアップへの入社を希望する場合、関関同立(特に同志社以外)の学生は「関西のいい大学」という漠然とした認識は持たれていても、MARCHほどの親近感や「扱いやすさ」を実感しにくい場面があります。関東の企業の人事担当者にとって、MARCHは学歴フィルターの基準点(ベンチマーク)であり、毎年一定数の採用を見込む「計算できる層」だからです。
一方で、関関同立の学生が東京での選考に挑む際、まず直面するのが「なぜあえて東京なのか?」という問いです。MARCHの学生には向けられないこの問いに対し、明確な志望動機を提示し、地場での圧倒的な強みを捨ててまで東京に来る覚悟を証明する必要があります。これは裏を返せば、関東において関関同立は「遠くから来るレアな学生」という枠組みから脱却しにくい現状を示しています。
関西でのOB・OGネットワーク:関関同立が最強の理由
逆に関西においては、関関同立の独壇場となります。サントリー、パナソニック、ダイキン工業といった関西を代表する世界企業から、地元密着の地方銀行、インフラ企業に至るまで、役員やマネジメント層、そして採用実務の担当者に至るまで関関同立の卒業生が厚い層をなしています。
特筆すべきは、関西経済界における「同志社閥」「関学閥」などの結束の強さです。リクルーター制の運用においても、母校の学生を優先的に囲い込む文化が根強く残っており、OB訪問のしやすさや内定獲得までの情報の質において、関東から進出を狙うMARCHの学生が太打ちできないほどの「地元優位性」を保持しています。関西では「MARCHよりも関関同立」というのが共通認識であり、わざわざ東京から関西へ戻る、あるいは関西で就職しようとするMARCH生は、この強固なネットワークの外側から戦わなければなりません。
就職活動の拠点問題:リクルートにおける地理的な差
オンライン選考が主流となった現代でも、最終選考や長期インターン、懇親会などは対面で行われることが一般的です。本社が集中する東京での就職を目指す場合、首都圏に拠点を置くMARCH生は放課後に面接へ向かうことができますが、関西の学生は数万円の交通費と宿泊費、そして多大な移動時間をかけて上京しなければなりません。
この物理的な「距離のコスト」は、次第に心理的な負担へと変わり、活動量の差として現ります。結果として、東京の企業への内定率は、偏差値的な序列以上に「アクセスの良さ」に比例する側面があります。同様に、関西の大手企業が求める「地元の土地勘」や「地域への帰属意識」という点でも、地場に根ざした関関同立が圧倒的に有利に働くのです。
大学別・学部別にみる逆転現象|中央法や関学商の立ち位置
大学群の括り(MARCH/関関同立)に縛られすぎると、本当の価値を見落とすことがあります。それぞれの大学群には、群全体の平均的な評価を遥かに凌駕する「看板学部」や、特定分野での「逆転現象」が存在します。
看板学部の評価:中央法はMARCH上位校を凌駕する?
中央大学法学部は、2023年に多摩キャンパスから都心の茗荷谷キャンパス(東京都文京区)へ移転したことで、志願者数と難易度がさらに爆発的な上昇を見せています。中央大学全体としては「MARCH下位」あるいは「法政と同等」と見なされることもありますが、法学部に限れば、明治や同志社はもちろん、早稲田・慶應の併願成功者も多数在籍する「別格」の存在です。
特に司法試験合格者数において常に全国トップクラスを維持している実績は、民間企業の人事からも「日本最高峰のリーガルマインドを持つ学生」として極めて高く評価されます。看板学部のブランド力は、大学群の括りを無効化する力を持っているのです。
関学・立命館の就職実績が「MARCH中位」と並ぶ要因
関西学院大学の商学部や立命館大学の国際関係学部などは、その専門性の高さから、全国区の知名度を誇ります。これらの学部の出身者は、たとえ就活の拠点が関西であっても、東京の総合商社や戦略コンサルティングファームなどのトップティア企業から、MARCH上位校の学生と同等以上の評価を受けることが多々あります。
これは、大学名以上に「その学部で何を専門的に学んできたか」が、実務重視の採用選考において大きな説得力を持つためです。特に国際関係や経営・経済分野において独自の実践的なカリキュラムを持つ学部は、学歴フィルターを越えた先にある「個の力」でMARCHの平均値を凌駕する実績を出しています。
学部選びで難易度は変わる:文系と理系の偏差値差
文系学部の比較では「明治 ≧ 同志社」という傾向が見られがちですが、理系学部に目を向けると景色は一変します。例えば同志社大学や立命館大学の理工学部は、長年の歴史と充実した研究設備、そこで培われた技術力、そして地元関西の大手メーカー(京セラ、任天堂、オムロン等)との密接な産学連携を背景に、MARCHの理系学部よりも高い偏差値や就職実績を叩き出すケースが少なくありません。
首都圏の理系受験生は、国立志向が強い一方で私立の選択肢が早慶に集中しやすいため、MARCHの理系は相対的に「滑り止め」としての性格が強くなります。しかし、関西では国立大の併願先としての関関同立理系の地位が盤石であり、優秀層の密度が高いという逆転現象が起きるのです。大学群の名称だけでなく、自分が進みたい分野(文・理・専門)において、どちらの大学がより「尖った」強みを持っているかを見極めることが重要です。
結局どっちがいいの?受験生が選ぶべき具体的な基準
「MARCHか関関同立か」という究極の選択を迫られた際、単純な偏差値の比較だけでは答えは出ません。自分の10年後の姿を想像し、以下の3つの視点から検討してみてください。
将来働きたい「場所」と「業界」で選ぶ
就職活動において、物理的な拠点は予想以上に大きな壁となります。
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「東京・丸の内」や「グローバル」を志向するなら: 迷わずMARCH、あるいは関関同立の中でも同志社をお勧めします。東京に本社を置くテレビ局、広告代理店、外資系企業などは、情報収集の速さとOB訪問のしやすさにおいて首都圏在住者が圧倒的に有利です。「丸の内系OL」や「大手総合商社」を目指すなら、キャンパスが都心にある青学や立教、明治はその空気感に触れやすく、モチベーション維持にも寄与します。
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「関西の優良企業」や「地元貢献」を志向するなら: 関関同立が最強の選択肢です。関西電力、JR西日本、サントリー、地方銀行などの関西を代表する企業において、関関同立のブランド力は無敵です。これら企業の採用枠の多くは地元の大学に割り振られており、東京から乗り込むMARCH生よりも、地元で育った関関同立生の方が「組織への適応力」や「長期就業の安心感」という観点から高く評価される傾向にあります。
自分が心地よい「校風」と「コミュニティ」で選ぶ
4年間のキャンパスライフは、あなたの「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の質を左右します。
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スマート・洗練系: 青山学院・立教・関西学院。お洒落で自由な学風が多く、学生時代から感性を磨きたい、あるいは華やかな業界を目指したい層にマッチします。これらの大学では、セルフブランディングに長けた学生が多く、面接でのプレゼン能力向上も期待できます。
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質実剛健・熱血系: 明治・中央・法政・関西・立命館・同志社。伝統的に「泥臭く努力する」ことが美徳とされる校風が多く、資格試験や体育会活動に打ち込みたい層に向いています。特に明治や立命館のキャリア支援は「おせっかい」と言われるほど手厚く、自走する自信がない学生であっても、大学のシステムに乗ることで高い就職実績を享受できます。
結論:偏差値の「序列」より、自分の「納得感」を優先する
受験生や保護者が陥りがちなのが、「1でも偏差値が高い方へ」という考え方です。しかし、現在の入試難易度の差(偏差値1〜2程度)は、就職市場においては誤差の範囲内です。
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「明治は偏差値が高いから」という理由だけで選んだ場合: 関西出身の学生が、馴染みのない東京の生活にストレスを感じ、学生生活が消極的になれば、就活での武器(エピソード)が作れません。
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「自分がここで4年間成長できる」と確信して選んだ場合: その確信は、就職活動における自信となり、面接官に伝わります。
「MARCHか関関同立か」を、単なるランクの上下として捉えるのではなく、「自分という人間が一番輝けるフィールドはどこか」を基準にしてください。4年後のあなたが「この大学に来てよかった」と笑える選択こそが、最善の正解です。
まとめ|MARCHと関関同立は「同志社・明治」を筆頭に伯仲
今回の比較をまとめると以下の通りです。
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難易度:明治を筆頭にMARCH上位がやや高いが、同志社は完全にその圏内にある。
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就職力:同志社と明治が二大巨頭。特に同志社は全国区で強い。
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地域性:関東ならMARCH、関西なら関関同立が絶対的に有利。
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看板学部:中央法などの特定学部は、大学群の枠を超えた評価を得ている。
あなたの認識は合っていましたか?重要なのは「その大学で何を成し遂げるか」です。この比較を参考に、ぜひあなたに最適な志望校を見つけてください。

