最近、イープラスを騙り「スマチケシステム利用料のお支払いをお願いいたします」という不審なメールが届く事例が急増しています。
「支払わないとアカウントが停止される」「当選権利が無効になる」といった強い言葉で不安を煽る内容ですが、結論から言うと、これは100%詐欺(フィッシング)メールです。
この記事では、このメールがなぜ詐欺と言い切れるのか、その根拠と見分け方、万が一クリックしてしまった時の対処法を詳しく解説します。
結論:そのメールは「詐欺(フィッシング)」です!
手元に届いたメールを見て「もしかして、あの時の支払いが漏れていたのかも…」と不安になっている方も多いと思いますが、まずは落ち着いてください。そのメールは、公式を装ってあなたの個人情報やクレジットカード情報を盗み出すために作成された、巧妙な「偽物」です。
イープラスがこのような形で、特定のシステム利用料のみを後から個別に請求することはありません。なぜこのメールが偽物だと断言できるのか、その具体的な理由を見ていきましょう。
「スマチケシステム利用料」という名目の別途請求は存在しない
イープラスの「スマチケ」サービスにおいて、チケット代金とは別に「システム利用料」や「ダウンロード手数料」といった名目の費用だけを、後から個別に請求・決済させる仕組みは一切存在しません。
通常、システム利用料が発生する場合は、必ずチケット購入時の決済(当選時の自動決済やコンビニ支払いなど)の中に含まれています。 「チケット代は払ったけれど、手数料だけ払い忘れた」という状況は、イープラスのシステム上、物理的に起こり得ないのです。
以前の落選は無関係!不特定多数に送られている可能性大
「以前チケットを申し込んだけど落選したし、その時の事務手数料かな?」「最近アプリを入れたから、その設定費用だろうか?」と、自分の行動に結びつけて考えてしまうかもしれませんが、それこそが詐欺師の狙いです。
この手のフィッシング詐欺は、実際の利用履歴に関係なく、ランダムに入手したメールアドレスのリストへ不特定多数に送りつけられています。たままイープラスを利用したことがある人の元に届くと、心理的に「自分宛だ」と思い込んでしまいやすいのですが、落選したチケットに対して追加費用が発生することは、イープラスの規約上ありえません。
絶対にURLをクリックしたりカード情報を入力しないで!
メール本文に配置されている「お支払い手続きへ進む」というボタンや、詳細を確認するためのURLは、すべて公式サイトに極めて巧妙に似せて作られた「偽のログイン画面」や「偽の決済フォーム」へと繋がっています。
もし、不安に駆られてURLをクリックし、そこでクレジットカード番号やセキュリティコード、あるいはイープラスのログインID・パスワードを入力してしまうと、その瞬間にすべての情報は犯人のサーバーに転送されます。 その後は、あなたのカードが不正利用されたり、アカウントが乗っ取られて高額なチケットを勝手に購入されたりといった、深刻な被害に繋がる危険性があります。
なぜ詐欺だ言い切れるのか?不審な点を見抜く3つのポイント
このメールには、本物のイープラスではありえない不自然な点や、嘘の情報がいくつも散りばめられています。その主要なポイントを深掘りして解説します。
ポイント①:システム利用料は「チケット代金と合算」が鉄則
イープラスにおける正規の決済フローでは、「チケット代金」「システム利用料」「振込手数料」「店頭発券手数料」などの諸費用は、すべて申込み時(または当選確定時)に一括して計算・請求されます。
たとえ支払い方法がクレジットカードであっても、コンビニ支払いであっても、後から「ダウンロード手数料だけが漏れていたので220円追加で払ってください」というような二段構えの請求が発生することはありません。もし、一度決済が完了した後にこうした「端数」のような金額の請求が来たら、その時点で偽物だと断定して間違いありません。
ポイント②:「アカウント停止」や「当選無効」で不安を煽る手口
フィッシング詐欺の典型的なテクニックが、心理的な「恐怖」と「緊急性」を利用することです。今回のメールでも、「支払期限が過ぎるとアカウントを停止する」「未使用のチケットや当選権利もすべて無効になる」といった、利用者にとって最もダメージが大きい言葉が並べられています。
しかし、冷静に考えてみてください。もし仮に何らかの支払いに不備があったとしても、正規の企業がいきなり「事前通知なしに、即座に全権利を剥奪する」といった極端な対応を取ることはまずありません。こうした高圧的な文言は、ユーザーから冷静な判断力を奪い、「早く手続きを済ませなきゃ!」と焦らせて偽サイトへ誘導するための罠なのです。
ポイント③:公式が案内していない「2025年11月の新法令」という嘘
メール本文に「2025年11月施行の新法令により、3Dセキュア対応クレジットカードの再登録が必要となります」という一文がありますが、これは全くのデタラメです。
確かに、クレジットカード業界全体でセキュリティ(本人認証サービス)の強化は進んでいますが、特定の月に「再登録を義務付ける新法令」が施行され、それを理由にイープラスが個別に手数料を徴収するという事実はありません。このように「法令」や「制度変更」といったもっともらしい公的な言葉を引用するのは、詐欺メールによく見られる手口です。存在しない法令を理由にカード情報の入力を求めてくるのは、100%情報を盗むための口実です。
メール本文の「怪しい言葉」を徹底解剖
メールを詳しく読み解くと、公式を装いつつも読者を騙そうとする「詐欺のシグナル」が随所に隠されていることが分かります。
「3Dセキュア再登録」はクレジットカード情報を盗む常套句
3Dセキュア(本人認証サービス)は、本来オンライン決済をより安全にするための仕組みです。しかし、詐欺師はあえて「セキュリティ強化」という正義の味方のような言葉を使い、読者に「これは安全のための手続きなんだ」と誤認させます。
「新法令への対応」や「セキュリティの更新」を名目にして、改めてカード番号、有効期限、セキュリティコード、そて3Dセキュアのパスワードまで入力させるのが彼らの目的です。一度これらの情報を入力してしまうと、犯人はあなたのカードを使ってオンラインショッピングを自由に行えるようになってしまいます。公式がメールのリンクから直接カード情報の全項目を再入力させることはまずありません。
「220円」という絶妙に少額な設定のワナ
請求金額が「220円」という少額に設定されている点にも注意が必要です。もしこれが数万円の請求であれば、多くの人が「そんなはずはない」と疑い、慎重になります。しかし、220円という「ちょっとした手数料」のような金額だと、「この程度の金額でチケットが守れるなら、払ってしまおう」という心理が働きやすくなります。
詐欺師の狙いは、この少額の金銭を得ることではありません。220円を支払うという名目で、あなたのクレジットカードの全情報を手に入れることこそが真の目的です。一度情報を盗まれてしまえば、数日後には数十万円単位の不正利用が行われるリスクがあるという、極めて「安物買いの銭失い」どころではない大損害に繋がる代償が隠されています。
送信元のメールアドレスやリンク先のURLが公式サイトと違う
メールの「差出人名」が「イープラス」になっていても、実際のアドレスを確認してみてください。ドメイン(@以降の部分)が「eplus.jp」以外の見慣れない英数字の羅列になっていたり、フリーメールアドレスになっていたりしませんか?
また、最も警戒すべきは「支払いボタン」のリンク先URLです。パソコンならマウスを重ねる、スマホなら長押し(※開かないよう注意)することでリンク先を確認できます。公式サイトのURLは https://eplus.jp/ ですが、詐欺サイトは eplus-pay.com や eplus-verification.shop など、本物っぽく見せた全く無関係なドメインを使用しています。特に、一見正しいURLに見えても、文字の一部が数字に置き換わっていたり(例:lが1、oが0など)、フォルダ階層が不自然に長いものは非常に危険です。
もしメールのURLをクリック・情報を入力してしまったら?
「やってしまった!」と気づいた瞬間、パニックになるのは当然です。しかし、二次被害を防ぐためには、1秒でも早い「止める」アクションが鍵となります。以下の手順を冷静に、かつ迅速に進めてください。
クレジットカード会社へすぐに連絡し利用停止を依頼する
カード番号、有効期限、セキュリティコード、あるいは3Dセキュアのパスワードを入力してしまった場合は、即座にカード会社へ電話してください。
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24時間対応の窓口へ: 多くのカード会社には、盗難・紛失・不正利用専用の24時間年中無休窓口があります。
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「フィッシング詐欺」であることを伝える: 単なる紛失ではなく、詐欺サイトに情報を入力したことを正確に伝えましょう。これにより、不正利用された際の補償を受けられる可能性が高まります。
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カードの再発行手続きを: 利用停止だけでなく、カード番号を変更した状態での再発行が必要です。
もしカード会社の連絡先がすぐに分からない場合は、カードの裏面に記載されている電話番号を確認するか、公式サイトの「緊急連絡先」を検索しましょう。
イープラスのログインパスワードを即座に変更する
偽サイトでイープラスのログイン情報を入力してしまった場合、犯人はあなたのアカウントにログインし、登録されている個人情報の閲覧や、勝手なチケット購入、さらには登録カードでの決済を行う恐れがあります。
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公式サイトまたはアプリからログイン: メールのリンクは絶対に踏まず、必ず検索サイトやブックマーク、あるいは公式アプリからログインしてください。
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パスワードの即時変更: 設定画面からパスワードを強力なもの(推測されにくい英数字の組み合わせ)に変更します。
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他サイトの使い回しに注意: 同じID(メールアドレス)とパスワードを他のサイト(Amazon、楽天、銀行アプリなど)でも使い回している場合、芋づる式に乗っ取られる「リスト型攻撃」の対象になります。関連するすべてのサイトのパスワードを変更してください。
警察のサイバー犯罪相談窓口や消費生活センターへ相談
実害(身に覚えのない請求など)が発生してしまった場合や、今後の対応に不安が残る場合は、専門の公的機関を頼りましょう。
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都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口: 各都道府県の警察本部に設置されています。不正アクセスの形跡や実害がある場合に法的アドバイスを受けられます。
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消費者ホットライン「188(いやや)」: 局番なしの「188」にかけると、最寄りの消費生活センターへ繋がります。クレジットカードの請求トラブルや契約問題について専門の相談員が対応してくれます。
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証拠を保存する: 届いた詐欺メール、入力したサイトのURL、やり取りの記録などはスクリーンショットなどで保存しておきましょう。相談の際に有力な証拠となります。
詐欺被害に遭わないための最強の防衛策
今回のような詐欺メールは、今後も手口を変えて何度も届く可能性があります。被害を未然に防ぐために、以下の「防衛の癖」を身につけましょう。
公式サイト・公式アプリの「申込み状況照会」を必ず確認する
「支払いが完了していない」「アカウントが停止される」といった内容のメールが届いて不安になったら、メール内のリンクは一切無視してください。代わりに、以下の手順で自分から情報を確認しに行くことが最も安全です。
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検索サイトからアクセス: GoogleやYahoo!で「イープラス」と検索するか、事前に登録しておいたブラウザの「お気に入り(ブックマーク)」から公式サイトへアクセスします。
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公式アプリを利用: 既にインストールしているイープラス公式アプリを立ち上げるのが、最も確実に本物の情報に辿り着く方法です。
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「申込み状況照会」を見る: ログイン後、メニューにある「申込み状況照会」を確認しましょう。本当に支払いが必要な事項があれば、必ずここに表示されます。ここに記載がない請求は、メールの内容がいかに本物らしく見えても100%偽物です。
公式サイト(eplus.jp)が出している「重要なお知らせ」をチェック
イープラスでは、新たな手口の詐欺メールが確認されるたびに、公式サイトの「重要なお知らせ」コーナーで具体的な事例とともに注意喚起を行っています。
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事例の確認: 「今届いたメールと同じ文面の注意喚起がないか」をチェックするだけで、確信を持って無視できるようになります。
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最新情報の入手: フィッシング詐欺の手口は日々進化しています。チケットを頻繁に購入する方は、たまに公式サイトのニュース欄に目を通しておくことで、防犯リテラシーを高めることができます。
覚えのない請求メールは「開かずに削除」を習慣にする
そもそも、「何についての請求か全く心当たりがない」メールは、その時点で無視して構いません。
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「開封」のリスクを知る: メールを開くだけで、画像が読み込まれた際に「このメールアドレスは有効(読まれている)」という情報が犯人に伝わり、さらに大量の迷惑メールが届くようになることがあります。
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リンクは「罠」: 「詳細はこちら」「お支払い手続きへ」といったリンクはすべて罠です。少しでも不自然さを感じたら、URLを触る前に削除しましょう。
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迷惑メールフィルタの活用: ブラウザやスマホのメールアプリの「迷惑メール報告」機能を積極的に使いましょう。同様のメールが自動的に弾かれるようになり、ストレスとリスクを軽減できます。
OSやブラウザの警告機能を信頼する
最新のブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど)やスマホのOSは、既知のフィッシングサイトにアクセスしようとすると「詐欺サイトの疑いがあります」といった真っ赤な警告画面を表示してくれることがあります。この警告が出た場合は、絶対に「詳細を表示してアクセスする」などの操作は行わず、すぐにページを閉じてください。
まとめ:正しい知識を持って安全にライブやイベントを楽しもう
イープラスを騙る「スマチケシステム利用料」のメールは、あなたの資産を狙う危険な詐欺です。
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システム利用料の別途請求は存在しない
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「アカウント停止」などの言葉に騙されない
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不安なら公式アプリから状況を確認する
この3点を覚えておくだけで、被害は未然に防げます。もし周りの友人や家族にイープラスを利用している人がいたら、ぜひこの情報を共有して注意を呼びかけてください。
正しい知識を持って、安全に推し活やイベントを楽しみましょう!

