「急にDMがチャット画面になってパスコードまで求められた…」「取引アカウントで使いづらいからDMに戻したい」—そうお困りではありませんか?
X(旧Twitter)のダイレクトメッセージ機能は、2025年後半から大規模なアップデートを実施し、UI(見た目)と機能が大きく刷新されました。特にセキュリティ強化のためのパスコード設定や、チャット風の新しい画面表示に戸惑っているユーザーは非常に多いです。
本記事では、XのDMが「チャット」に変わった理由から、従来のDM画面に戻す方法の有無、そして取引などで活用するための新しい機能への対処法まで、最新情報を徹底解説します。
XのDMが「チャット」表示に変わったのはなぜ?
Xのメッセージ機能が突然チャット表示に切り替わったのには、明確な理由があります。これは、Xが目指す「スーパーアプリ」構想の一環として、メッセージ機能を最新のセキュリティと多機能性にアップデートする大規模な仕様変更です。
2025年11月からの大規模な仕様変更(XChatへの移行)
この新しいメッセージ機能は「XChat」と呼ばれ、2025年11月頃から正式に提供が開始されました。従来のDM機能とはインフラ自体が置き換えられており、単なるデザイン変更ではありません。
主な目的は「セキュリティの強化」です。イーロン・マスク氏が掲げる「誰もメッセージを覗き見できない世界」を実現するため、エンドツーエンド暗号化(E2EE)をDM機能の標準とするための措置です。E2EEが導入されると、メッセージが送信者と受信者のデバイスでのみ復号(内容を読める状態に変換)され、途中のXのサーバーを含む第三者は内容を絶対に閲覧できなくなります。
このセキュリティレベルを維持するために、メッセージの復号に必要な「鍵」を保護する手段として、パスコードの設定が求められるようになりました。つまり、パスコード設定は、より安全な通信環境を提供するための必須プロセスなのです。この抜本的な機能刷新は、メッセージングアプリとしての信頼性を高める狙いがあります。
なぜアカウントによって表示が違うのか?(段階的テスト展開)
ご質問にあるように、「別のアカウントではDMのままだった」という現象は、仕様変更が段階的に展開されているため起こります。
Xは通常、新機能や大規模なUI変更を行う際、サーバー側の設定で一部のユーザーから順に適用していきます。これを「ロールアウト」や「A/Bテスト」と呼びます。
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チャット表示になっているアカウント: 新しいXChat機能が適用されています。これらのお客様は、新機能のテストグループや先行導入の対象となっています。
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従来のDM画面のアカウント: まだXChatへの移行が適用されていません。このアカウントも、数日から数週間程度で順次チャット表示に切り替わる可能性が高いです。
特に注意すべきは、デバイス(iOSアプリ、Androidアプリ、Web版)やアカウントの属性(Premiumユーザーか一般ユーザーかなど)によって適用タイミングが大きく異なることです。例えば、スマホアプリはチャット化されても、PCのWebブラウザからは従来のDM画面が見られるという現象もしばらくの間は発生していました。この違いは、Xが各プラットフォームでの安定動作を確認しながら慎重に移行を進めている証拠です。
「チャット」と「従来のDM」の機能的な違い(基本機能は維持)
見た目(UI)は大きく変わりましたが、ご安心ください。基本的なDMの機能は、新しいチャット機能にも引き継がれています。
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過去のメッセージ確認
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メッセージの送受信(テキスト、画像、動画)
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ブロック・ミュート機能
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グループチャット機能
これらは引き続き利用可能です。チャットUIになったことで、従来の「スレッド形式」からより視覚的に会話の流れがわかりやすい「吹き出し形式」の表示に変わり、リアルタイムでの会話のやり取りがしやすくなりました。これにより、より多くのメッセージングアプリと同じ感覚で、直感的な操作が可能になっています。一方で、デザインの変更やアイコンの位置変更により、特に取引などで利用していたユーザーは、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
Xの「チャット」画面を従来のDMに戻す方法は?
多くのユーザーが最も知りたい点であり、ご質問の核となる部分です。
残念ながら「元に戻す設定」は現時点では存在しない
結論から申し上げますと、Xが公式に提供している「チャット表示を従来のDM画面に戻す」設定や機能は、現時点(2025年12月)ではありません。
これはバグや一時的な不具合ではなく、X側による恒久的なメッセージ機能の刷新であるため、一度チャット画面に切り替わってしまったアカウントは、そのまま新しいUIで使い続ける必要があります。Xはこの仕様変更を通じて、全ユーザーに一律で最新のセキュリティ機能(エンドツーエンド暗号化)を提供したいと考えています。そのため、ユーザーに以前のバージョンの選択肢を残すことは、セキュリティポリシーに反すると判断している可能性が高いです。
唯一の解決策?Web版(PCブラウザ)での表示を確認する
一部のユーザーからは、Web版(PCブラウザ)からXにアクセスした場合、まだ従来のDM画面のままだったという報告があります。これは、Web版へのXChatの展開がスマホアプリより遅れているためです。
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スマホアプリ(iOS/Android)でチャット化してしまった場合でも、PCやタブレットでWeb版にログインし直してDM画面を確認してみてください。
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確認方法: PCブラウザでXにアクセスし、左側のナビゲーションメニューから「メッセージ」を選択します。
一時的な解決策としては有効かもしれませんが、XChatはWeb版にも順次展開される予定のため、この方法も長くは使えなくなる可能性が高いです。従来のDM画面が必須の業務がある場合は、このWeb版の状況を日々確認しておく必要があります。
今後のアップデートでDM表示に戻る可能性は極めて低い
Xはエンドツーエンド暗号化をコア機能として推進しており、従来のDM機能はセキュリティ面でこの新しい基準を満たしていません。
DM機能のアップデートは、Xが「スーパーアプリ」へと進化するための基盤であり、金融サービスや決済機能など、より機密性の高いやり取りに対応するための重要なステップです。したがって、XChatへの移行は不可逆的な変更であり、セキュリティを犠牲にしてまでユーザーが任意でDM表示に戻すオプションが追加される可能性は非常に低いと考えられます。今後は新しいチャット機能に搭載されたセキュリティや多機能性を活用する方向にシフトしていく必要があります。
【重要】新しい「チャット」機能で追加されたセキュリティと使いづらさ
特にグッズの取引用アカウントでは、シンプルだった従来のDMの方が使いやすいと感じる方が多いようです。しかし、新しい機能はセキュリティ面で大きなメリットをもたらしています。
パスコード設定が必須になった理由(エンドツーエンド暗号化)
パスコード設定は、XChatの最も重要な機能であるエンドツーエンド暗号化(E2EE)を有効化するために必要です。
E2EEが導入されると、メッセージの復号(読める状態にすること)に必要な「鍵」はあなたのデバイスにのみ保存されます。この鍵を保護するのが、あなたが設定する4桁のパスコード(PINコード)です。この仕組みにより、仮にXのデータベースがハッキングされたり、アカウント情報(ID・パスワード)が漏洩したりしたとしても、パスコードを知らない第三者は暗号化されたチャットの内容を閲覧できません。これは、個人情報や取引内容をやり取りするアカウントにとって、極めて強力なセキュリティの盾となります。
取引用アカウントでの「使いづらさ」を乗り越えるには
取引で使いづらいと感じる主な原因は、パスコードの入力頻度や、新しいデザインへの慣れ、そして従来の「シンプルなリスト表示」との違いです。
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問題点 |
対処法 |
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パスコード入力が面倒 |
頻繁にDMを使わないアカウントの場合、サインアウトせずにアプリをバックグラウンドに残しておくことで、再入力の頻度を減らせる場合があります。ただし、セキュリティとのトレードオフになるため、機密性の高いアカウントでは推奨できません。 |
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UIがごちゃごついている/取引先が見にくい |
従来のDM機能と基本的な操作(送信、画像添付など)は同じです。新しいUIは「吹き出し」表示がメインですが、リスト表示の確認方法や、検索機能の活用で対応しましょう。数日慣れることで、操作ミスは激減します。 |
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パスコードを忘れる不安 |
覚えやすい数字(ただし推測されにくいもの)を設定し、他のサービスとは異なるものを使うようにしましょう。必ずどこかにメモを残すか、パスワード管理ツールで安全に保管することが重要です。 |
XChatで利用可能になった新機能(消失メッセージ・通話・ファイル共有)
チャット化によって、セキュリティ以外にも以下の便利な機能が追加されました。これらは取引や業務連絡で活用できる可能性があります。
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消失メッセージ(Vanishing Mode): 送信から設定した時間(例:24時間後)が経過するとメッセージが自動で削除されます。個人情報(振込先情報など)のやり取りや、一時的な情報共有に便利で、やり取りの痕跡を残したくない場合に有効です。
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ファイル送信機能の拡張: これまで難しかったPDF、Word、Zipファイルなどのドキュメントファイルも共有できるようになりました。これにより、取引の際の書類や詳細資料の受け渡しがX内だけで完結できます。
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音声・ビデオ通話機能: チャット画面から相手と直接、音声やビデオでの通話が可能です。これは、電話番号を知らない相手との緊急連絡や、取引内容の確認を音声で行いたい場合に非常に役立ちます。
XChatのパスコードを忘れてしまった場合の対処法
パスコードはセキュリティの要ですが、忘れてしまうと非常に困ります。
パスコード再設定の具体的な手順
パスコードを忘れてしまった場合、DMのやり取りへのアクセスを復旧させるために、以下の手順で再設定が必要です。
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Xのアプリ内設定(またはパスコード入力画面)で「パスコードを忘れた場合」「デバイスキーをリセット」のようなオプションを選択します。
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通常、アカウントからサインアウトし、再度ログインすることで、新しいパスコードを設定する画面に進むことができます。これは、デバイスに保存されていた暗号化のための「鍵」をリセットし、新しい鍵とパスコードを再生成するプロセスです。
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【警告】この際、過去の暗号化されたメッセージの「鍵」がリセットされるため、過去のチャット履歴がすべて消えてしまう可能性があることに注意が必要です。パスコードは、絶対に忘れないようにしてください。
パスコードを何度も間違えた場合の制限について
セキュリティ上の理由から、パスコードの入力を規定回数以上(例:5回など)間違えると、一時的にメッセージ機能へのアクセスがロックされる可能性があります。
ロックされた場合は、「〇分後に再試行してください」といったメッセージが表示されます。指定された時間(数分~数時間)が経過するのを待つか、上記の「パスコード再設定」の手順に進む必要があります。連続入力ミスは、メッセージ履歴の消失につながるリスクを高めるため、焦らず正確に入力しましょう。
パスコードを設定しないとどうなる?(メッセージの閲覧制限)
パスコード設定画面をスキップしたりキャンセルしたりすると、新しい暗号化されたチャットメッセージを閲覧したり、送信したりすることができなくなります。
これは、パスコードが設定されない限り、暗号化の「鍵」が不完全な状態にあるためです。チャット機能の利用自体がロックされてしまうため、DMを使うためにはパスコード設定は実質的に必須となります。チャット機能を利用したい場合は、すぐにパスコードを設定しましょう。
まとめ:新しいXメッセージ機能(XChat)への向き合い方
見た目は変わっても機能は同じ!慣れることが最善策
XのDMが「チャット」に変わったのは、より安全で多機能なメッセージングプラットフォームへと進化するためです。特に取引での利用では、エンドツーエンド暗号化によるセキュリティ強化は、個人情報保護の観点から大きなメリットとなります。
使いづらさは最初の一週間程度で感じなくなることがほとんどです。新しいUIに慣れることが、最も現実的で建設的な解決策となります。新しい機能が提供する安心感と利便性に目を向けてみましょう。
「X チャット DMに戻す方法」に関する現状の結論
現在のところ、Xの「チャット」表示を従来の「DM」画面に戻す方法はありません。
PCのWeb版での一時的な回避策を除き、新しいチャットUIを使いこなし、パスコードによるセキュリティを享受することが、2025年以降のXメッセージ機能との付き合い方となります。
この変更を理解し、新しい機能を活用して、より安全なメッセージのやり取りを楽しんでください。

