「大谷翔平選手の試合を今年もABEMAで見ようと思っていたのに、全然スケジュールが出ない……」 「ABEMAのコメント欄でワイワイ応援するのが楽しみだったのに、もしかして今年は放送しないの?」
2026年シーズン開幕を控え、多くの方がこのような不安を抱えています。結論から言うと、2026年のABEMAでのMLB放送は「行われない」可能性が極めて高い状況です。
この記事では、なぜABEMAで放送がないと言えるのか、その理由と、ABEMAに代わってドジャース戦を賢く、あるいは無料で視聴する方法を詳しく解説します。
2021年から2025年まで、ABEMAは「メジャーリーグを身近に楽しめるプラットフォーム」として日本人メジャーリーガーの活躍を支えてきました。しかし、2026年シーズンを迎えるにあたり、これまでの流れとは明らかに異なる「異変」が起きています。
例年、ABEMAがMLBの中継権を確保している場合、開幕の数週間から1ヶ月前には特設サイトの開設や、中継予定試合のプレスリリースが華々しく出されます。特に大谷翔平選手が所属するドジャース戦については、視聴者獲得の目玉となるため、早すぎるほどのアナウンスがあるのが通例でした。
しかし、2026年3月26日のレギュラーシーズン開幕まで残りわずかとなった現時点においても、ABEMA公式サイトの番組表やニュース一覧にはMLB放送に関する記述が一切存在しません。「ギリギリまで交渉している」という可能性もゼロではありませんが、放送準備や広告枠の調整期間を考慮すると、この沈黙は事実上の「撤退」を示唆していると見て間違いありません。
SNS上での動きも深刻です。ABEMAのMLB専門アカウント(@ABEMA_mlb)は、かつてはキャンプ情報や選手の動向を連日投稿し、ファンのコミュニティのハブとなっていました。しかし、このアカウントの投稿は2026年1月を最後にパタリと止まっています。
通常、放映権を持つメディアであれば、開幕に向けてカウントダウン投稿や注目選手の紹介記事で盛り上げを図るはずです。昨シーズンの熱狂ぶりからは考えられないこの静けさは、プラットフォーム側が既にMLBコンテンツからリソースを引き揚げ、次の戦略へとシフトしている証左と言えるでしょう。
これまでABEMAは、アジア圏の放映権を持つ「SPOTV NOW」とサブライセンス契約を結ぶことで、一部試合を無料(あるいはABEMAプレミアム会員向け)で提供してきました。しかし、この協力関係に大きな変化が生じました。
2026年シーズンに向け、後述するAmazon Prime VideoがSPOTVとのパートナーシップを劇的に強化したことで、日本国内における配信のパワーバランスが完全に塗り替えられました。ABEMAがこれまで担ってきた「ライト層向けの無料配信枠」という立ち位置を、より強力なプラットフォームであるAmazonが、プライム会員特典という形で事実上飲み込んでしまったのが実情です。
ファンにとっては非常にショックな出来事ですが、感情面を一度脇に置き、ビジネスやメディア戦略の側面から分析すると、いくつかの決定的な理由が浮き彫りになります。
最大の要因は、世界的なプラットフォームであるAmazon Prime Videoが、SPOTVとの配信権に関する複数年契約を締結し、その関係を劇的に深化させたことです。
2025年シーズンまで、AmazonでのMLB配信は年間約50試合程度に留まっており、ABEMAが「無料配信」という独自のポジションを維持する余地が十分に残されていました。しかし2026年シーズンより、Amazonは配信試合数を350試合以上へと一挙に拡大。ドジャース戦を中心に、ポストシーズンを含む注目試合の多くを「プライム会員特典(追加料金なし)」として提供することを決定しました。
これにより、これまでABEMAが担ってきた「カジュアルな視聴層へ試合を届ける」という役割の大部分がAmazonに奪われる形となりました。資金力で圧倒する巨大資本がSPOTVと強力にタッグを組んだことで、ABEMAが提供できる価値(バリュープロポジション)が相対的に低下し、配信枠の確保そのものが困難になったと推測されます。
「大谷翔平」という世界的なアイコンの存在により、日本国内における MLB の放映権価値は今や天文学的な数字に達しています。ドジャースの試合一つひとつが日本で高視聴率を叩き出す現在、権利元であるMLBやSPOTVが提示する放映権料は、数年前の比ではありません。
ABEMAのビジネスモデルは、多くの無料視聴者を集めて広告収入を得る、あるいはそこから月額1,080円の「ABEMAプレミアム」へ誘導するというものです。しかし、高騰し続ける放映権料に対し、広告収入やプレミアム会員の増加分だけで数億〜数十億円規模のコストを回収するのは、現状の市況では極めてリスクが高い判断となります。
特に、Amazonが「配送料特典のついでにMLBが見られる」という強力なセット販売を仕掛けてきたことで、ABEMAが独自の有料課金者を積み上げるハードルはさらに高まりました。結果として、サイバーエージェント(ABEMAの親会社)が「費用対効果が合わない」と判断し、他の独占コンテンツ(格闘技やアニメ、オリジナルドラマ等)へ予算を振り向ける決断を下した可能性が高いでしょう。
スポーツ中継の世界では、今まさに大きなパラダイムシフトが起きています。それは、地上波や無料動画サイトによる「広く浅い無料放送」から、特定のプラットフォームによる「深く狭い有料独占配信」への移行です。
かつてのMLB中継は、地上波の深夜枠やBS放送が主役でしたが、現在は「見たい人が、相応の対価を払って専用プラットフォームで見る」という形が定着しつつあります。
MLB.tv:全試合をカバーする公式の直販モデル
SPOTV NOW:専門的な日本語実況と多様なカードを提供
Amazon Prime Video:会員特典として付加価値を提供
このような「専門化」と「有料化」が進む中で、ABEMAが無料で高品質なライブ中継を維持し続けることは、放映権を持つ権利元(ライセンサー)側の「ブランド価値を高く維持したい(安売りしたくない)」という意向とも衝突しやすくなっています。ユーザーに「お金を払って見るもの」という意識が浸透したことが、結果としてABEMAの無料枠を消失させる一助となったと言えるでしょう。
ABEMAの中継において、多くのファンが最も高く評価していたのは「リアルタイムのコメント機能」でした。ホームランが出た瞬間に画面を埋め尽くす「きたあああ!」という叫びや、専門的な戦術議論、時にはネタバレを食らいつつも共有するあの一体感は、単なるテレビ視聴では得られない体験でした。
2026年、ABEMAでの放送がない場合、その「熱量の置き場所」はどこになるのでしょうか。ファンの間で注目されている代替案を深掘りします。
ネット上のチャット機能が「デジタルな隣人」との交流なら、スポーツバーやパブリックビューイングは「リアルな熱気」の共有です。
ライブ感の共有: 昨今のドジャース戦ブームにより、朝の時間帯から営業するスポーツカフェやバーが増えています。ヒット一本で店全体がどよめき、ホームランで知らない人同士がハイタッチを交わす体験は、ABEMAのコメント欄以上の感動をもたらします。
専門的な解説に触れる: 店舗によっては元プロ野球選手や熱狂的なファンが集う場所もあり、チャット以上に深い戦術論を聞ける場合もあります。
大画面での迫力: 100インチを超える大型モニターやプロジェクターでの観戦は、スマホ視聴では味わえない没入感を提供してくれます。
現在、ABEMAのチャット機能に最も近い役割を果たしているのが、X(旧Twitter)のリアルタイム実況です。
トレンド共有: 試合中、Xでは「#大谷翔平」「#ドジャース」「#山本由伸」といったハッシュタグが秒単位で更新されます。最新のポストを追うことで、ABEMAのコメント欄を読んでいるのとほぼ同じ感覚で、試合の展開に応じた日本中の反応をチェックできます。
情報の速報性: 公式情報のアップデートはもちろん、現地記者の動画や分析が瞬時に流れてくるため、中継映像だけでは得られない「裏側」の情報を共有しながら盛り上がることが可能です。
自分も「実況主」になれる: 自分が投稿した感想に「いいね」や返信がつくことで、双方向のコミュニケーションが生まれ、ABEMAの掲示板以上に能動的な参加感が得られます。
ABEMA以外にも、ファン同士が交流できるデジタル環境は進化しています。
SPOTV NOWのチャット・コミュニティ: 専門チャンネルであるSPOTV NOWでも、試合中の交流機能が強化されています。有料会員同士ということもあり、よりリテラシーが高く、純粋に野球を愛する人々との濃い議論が期待できます。
ニコニコ生放送やYouTubeでの「ミラー実況」: 映像そのものは流せなくても、ラジオ形式やテキスト形式で「試合を一緒に見る」ライブ配信を行っているインフルエンサーが増えています。ABEMAのコメント欄が好きだった層にとって、特定の配信者の部屋に集まってチャットを打つ形式は、最も親和性が高いかもしれません。
Discord等のプライベート・コミュニティ: 野球ファン同士でサーバーを立て、ボイスチャットやテキストチャットで盛り上がる層も増えています。より気心の知れた仲間と「ネタバレ」を気にせずワイワイ話したい場合には、こうしたクローズドな環境が最適です。
ABEMAという「場所」はなくなっても、ファンの情熱が集まる「新しい場所」はデジタル・リアルの両面ですでに形成されつつあります。
ABEMAの放送予定がない現在、選択肢は大きく3つの有料・公共サービスに集約されます。それぞれのサービスには独自の強みと弱みがあるため、自分の視聴スタイル(「安さ重視」か「全試合網羅」か)に合わせて選ぶことが重要です。
すでにAmazonプライムを利用している人にとって、最もコストパフォーマンスが高いのがこのサービスです。
圧倒的な利便性と低コスト: 月額600円(または年額5,900円)のプライム会員であれば、追加料金は一切不要です。「お急ぎ便」などの配送特典やPrime Videoの映画・アニメの見放題と同じ枠内でMLBが楽しめるため、ライトファンにとっては実質的な負担増がありません。
配信カードの充実: 2026年からは配信試合数が350試合以上に激増しました。大谷翔平選手率いるドジャース戦を中心に、日本人選手が所属するチームの注目カードを厳選して中継します。
高画質かつ安定したインフラ: 世界最大級のサーバーを誇るAmazonだけに、同時接続数が増える注目試合でも映像が止まりにくく、安定したフルHD画質で観戦できるのが強みです。
デメリット: 全30球団の全試合が見られるわけではありません。「自分の好きなマイナーなチームの試合をすべて見たい」というディープなファンには物足りなさを感じる場合があります。
「とにかく日本人選手の活躍を1試合も見逃したくない」という熱狂的なファンに選ばれているのが、SPOTV NOWです。
日本人選手所属チームの試合を徹底カバー: ドジャース戦は全試合をライブ配信。さらに、パドレス(ダルビッシュ有選手)、カブス(鈴木誠也選手・今永昇太選手)など、日本人選手が所属するチームの試合を1日最大8試合配信します。
専門的な日本語実況・解説: 米国現地の放送を流すだけでなく、日本のプロ野球経験者やMLBに精通した実況アナウンサーによる日本語解説が付くため、初心者でも試合の流れを深く理解できます。
マルチデバイス対応と追っかけ再生: スマホ、タブレット、PCはもちろん、テレビアプリでの視聴も可能。早朝の試合でも「追っかけ再生」機能を使えば、通勤中や昼休みに最初からチェックできます。
デメリット: 月額料金(約3,000円〜)がAmazon等に比べると高めです。また、回線状況によっては画質が安定しないケースも報告されているため、事前の環境チェックが推奨されます。
日本におけるMLB放送の「元祖」であり、最も安心感があるのがNHKです。
最高の映像美と安定感: BSプレミアム4Kでの放送は、ネット配信では到達できない圧倒的な美しさを誇ります。芝生の色やボールの回転まで鮮明に見えるため、大画面テレビを持っている人には最高の体験になります。
「無料」で楽しめる公共放送: 受信料を支払っていれば、追加の契約なしで視聴可能です。ネット配信が苦手な高齢者層や、録画して夜にゆっくり見たい層にとっては、今なお最強のプラットフォームです。
解説陣の豪華さ: NHK独自の解説陣(元メジャーリーガー等)による落ち着いた解説は、落ち着いてじっくり野球を楽しみたい層に支持されています。
デメリット: 放送枠に制限があるため、試合が長引いた場合にサブチャンネルへ移行したり、放送が途中で終了したりするリスクがあります。また、中継カードは前もって決まっており、急な登板変更などに対応できないケースもあります。
ABEMAでの無料放送がなくなった今、視聴者にとって最大の課題は「いかに支出を抑えつつ、効率的に試合を追うか」です。幸いなことに、2026年シーズンはいくつかのキャンペーンや裏技を組み合わせることで、非常に安価、あるいは実質無料で観戦することが可能です。
まだAmazonプライムを利用していない、あるいは過去一定期間利用していない方は、「30日間の無料体験」が最強の武器になります。
開幕の熱狂をタダで体験: 3月下旬の開幕に合わせて無料体験を開始すれば、ドジャースの開幕カードを含む約30試合分の配信を完全に無料で視聴できます。期間内に解約すれば、料金は1円もかかりません。
学生ならさらに強力な「Prime Student」: 学生(大学・専門学生等)であれば、無料体験期間が「6ヶ月」に伸び、その後の月額も300円と半額になります。シーズン期間の半分以上を無料でカバーできるため、学生ファンは絶対に活用すべきプランです。
解約忘れ防止のテクニック: 「解約を忘れて課金されるのが怖い」という方は、無料体験を開始した直後に自動更新をオフに設定しておくことも可能です。これにより、30日間は視聴できつつ、期限が来れば自動的に終了させることができます。
「日本人選手の試合を全試合網羅したい」というこだわり派にとって、SPOTV NOWの契約は必須ですが、普通に月額料金を払うのは損かもしれません。
3月末までの年間パス早期割引: 開幕前に発売される年間パスは、通常の月額課金を12回続けるよりも40%〜50%近く安くなる設定が一般的です。3月末という期限を逃すと、数千円単位の損をしてしまうため、早めの決断が「コスパ最強」への近道です。
U-NEXTのポイント活用術: 動画配信サービス「U-NEXT」の月額会員(2,189円)になると、毎月1,200円分のポイントが付与されます。このポイントをSPOTV NOWパックの支払いに充てることができ、実質的に「映画・アニメ見放題+MLB中継」をお得なパッケージ料金で楽しむことが可能です。
さらに一歩踏み込んだ視聴体験を求める場合、以下のような選択肢もあります。
MLB.tvの「Single Team」プラン: 「ドジャースの試合だけでいい、その代わり全試合完璧に見たい」という場合、MLB公式サイトが提供する「Single Team」プランが非常に効率的です。全30球団パックより安価で、英語実況による本場の臨場感(データ分析や現地の解説)を堪能できます。
J SPORTS(スカパー!等)の録画機能: ネット配信の弱点は「保存ができない」ことです。J SPORTSならHDDレコーダーに録画して永久保存版にすることが可能。仕事や学業でライブ視聴が難しい人でも、帰宅後に「早送り」や「一時停止」を駆使しながら効率的に、かつ最高画質でチェックできるのは衛星放送ならではの強みです。
このように、自分のライフスタイルや「どれだけ深く見たいか」に合わせて組み合わせを最適化することが、ABEMA亡き後の2026年シーズンを制する鍵となります。
ABEMA中継なしのショックを乗り越えるための次の一手
ABEMAでの無料放送とワイワイしたチャットがなくなるのは非常に寂しいことですが、今年はAmazon Prime Videoという非常に強力(かつ安価)な代替手段が登場しています。
2026年も大谷翔平・佐々木朗希の活躍は見逃せない!
大谷翔平選手の打撃、山本由伸投手の快投、消耗戦の末に勝利を掴む瞬間。歴史的なシーンは、ABEMA以外の場所でも確実に刻まれます。
自分に合った視聴スタイルで見つける「新しい観戦体験」
「手軽さ重視ならAmazon」「徹底解説ならSPOTV」「大画面録画ならNHKやJ SPORTS」。ABEMAがないことをきっかけに、自分にとって最高の観戦スタイルを探してみてはいかがでしょうか。